金属顕微鏡対物レンズ(無限遠補正光学系)と望遠レンズによる超接写法

 金属顕微鏡対物レンズ(無限遠補正光学系)と望遠レンズを組み合わせて、超接写することにより走査電子顕微鏡での約60倍に匹敵するマクロ写真が撮影できる。しかも、カラー映像であり情報量は走査電子顕微鏡を超えるものがある。
 既に外国ではプロカメラマンが撮影しており、素晴らしい昆虫写真を見せている。この撮影技術を学び自分なりに工夫した方法である。とても小さな昆虫は今まで詳細な画像を撮影することは極めて困難であったが、パソコン性能の向上や一眼デジカメの進歩とともに焦点深度合成ソフトウェアを廉価に手に入れることができ、アマチュアでもプロに劣らない昆虫のマクロ写真を撮影できるようになった。
 短所は1枚の合成画像を作成するに当たり撮影枚数がとても多いことである。
 昆虫を採集し、手間暇をかけて1枚のマクロの深度合成写真を制作することは楽しいものである。撮影しなければ絶対に見ることができなかった、とてもとても小さな世界を見ることができ、昆虫の造形美に面白さを感じる。
 
 

① 微動ステージ
   ・マイクロメータが付いたX軸微動ステージ
② 照明装置(ディフューザーを含める)
   ・ストロボなど 
③ レンズ系
   ・金属顕微鏡対物レンズ(無限遠補正光学系)
   ・200mm以上の望遠レンズ
   ・顕微鏡対物レンズを取り付けるアダプター
     M26×0.706(36TPI)のメスねじ-M52オスねじ
④ カメラを取り付けるフォーカシングレールと雲
⑤ カメラボディ
   ・リモコンスイッチまたはリモートコード
⑥ パソコン焦点深度合成ソフトウェア
⑦ 実体顕微鏡 
   ・昆虫の体表に付いたゴミやホコリを取り除くクリーニング 

左の写真は、顕微鏡対物レンズM26-M52アダプターにM77-M52ステップダウンリングを取り付けたもの
・顕微鏡対物レンズM26-M52アダプターは、Webで、中国製のものが入手できる。
・ステップダウンリングは、Kenkoやマルミ光機の市販品で入手できる。 サイズは、望遠レンズのフィルターサイズに合うものを選ぶ。 


実際に使用している自作超接写システム台の写真

 
 ニコンのカメラを使用しており、キャノンの接写レンズMP-E65mmが使えず、考え出した超接写システムである。
 なお、MP-E65mmレンズでは出来にくい高倍率で鮮明な画像を写すことができる。
 そのためには、光学性能の良い金属顕微鏡対物レンズ(無限遠補正光学系)と結像レンズとして鮮明画像が得られる望遠ズームレンズを組み合わせた。 
  ◆使用しているレンズ
   ・Mitutoyo M Plan Apo 5X     作動距離 34.0mm
   ・Mitutoyo M Plan Apo 10X      作動距離 33.5mm
   ・Mitutoyo M Plan Apo SL20X     作動距離 30.5mm
   ・Mitutoyo M Plan Apo NUV50X    作動距離 15.0mm
   ・Nikon AF-S VR Zoom Nikkor ED 70-300mm F4.5-5.6G
   ・Nikon AF-S Nikkor ED 300mm F4D. 

金属顕微鏡対物レンズ(無限遠補正系)を使用した写真


1万円札ホログラフによる解像度  
画像をクリックすると大画像になる
Mitutoyo M Plan Apo 10Xの解像度

       
左側からMitutoyo M Plan Apo のレンズ  NUV50X、10X、5X



 ミツトヨ M Plan Apoは、プランアポクロマートデザインを採用しており、基本波長 587nm (イエロー)で設計し、436~656nmの可視域全体が色収差補正されている (赤・黄・青の三波長補正)。そのため、色の再現性は極めて良好になっている。また、視野全体にわたり像面がフラットになっている。長作動距離のため、照明がやりやすい。

             

                       





微動ステージとカメラ側微動レールの写真

ケンコーのXYフォーカシングレールとX軸マイクロステージ、カメラねじへの取付特注スペーサー、Z軸アリ式ステージ、自作の木製ステージを組み合わせて使用している。

・15倍にするとカメラ撮像素子の横幅範囲内で、標本の1.6mmしか写らないので、容易に視野に入れるためにはY軸とZ軸を微動調節する必要がある。
・カメラ側にフォーカシングレールと自由雲台を使い、撮影するアングルの幅を持たせてある。
・1枚毎にX軸マイクロステージを0.01~0.04mm移動ステップする。
・対物レンズ10倍で撮影する時は、1mmの深度距離で100枚撮影することになる。




左の写真はカメラねじへの取付特注スペーサー
 
金属顕微鏡対物レンズ(有限遠補正光学系)とベローズによる超接写法 



 金属顕微鏡対物レンズ(有限遠補正光学系レンズ系)を使用する方法
 
 ・有限遠補正光学系の顕微鏡対物レンズには160mmと210mmの2種類がある。この場合はカメラボディまでベローズや中間リングで指定鏡筒長を調節する。ベローズの長短で撮像倍率を変えられる。
 ・顕微鏡対物レンズを取り付けるアダプター
     M26×0.706(36TPI)のメスねじ-M42オスねじ
     
・高画質の対物レンズは高価であるため、中古品の
Nikon BD Planレンズ10Xと20Xの2本 を入手した。
 解像度が良好なレンズである。10Xの方がW.D.10mmで使いやすい。
           
  左側からNikon BD Plan 10X 0.25 210/0 、 20X 0.4 210/0
      
 
Nikon BD Plan 10Xで超接写。作動距離は 約10mm。
 ・旧型のNikon BD Planレンズは長作動距離タイプでないため、作動距離は極めて短く、照明に工夫が必要である。
 ・長作動距離タイプの方が、照明は容易である。
 ・BD型(明・暗視野用)対物レンズはレンズの周囲に同軸照明用の光路があり、カメラ撮像素子センサーに不要な光を影響させないために、光路の入口を黒紙で塞いだ。
 ・鏡筒の先端部を外すとモデルへの照明がし易い。
          
   Nikon BD Plan 20Xの作動距離は約2.5mm。解像度は良い。

Nikon BD Plan 10Xを使用した写真

Nikon BD Plan 20Xを使用した写真
 金属顕微鏡有限系対物レンズとベローズによる超接写法
写真引伸レンズとベローズ等による超接写法



 ベローズに写真引伸レンズを逆付けにして撮影する従来からある方法

 高性能な引伸レンズは、現在中古から入手するしかない。EL-Nikkor 50mm F2.8Nは定評のあるレンズである。


            
         EL-Nikkor 50mm F2.8NとL39mmリング
 




 ・かつてフィルム時代に購入した、EL-Nikkor 50mmF2.8Nレンズを使用している。
 ・マニュアルレンズのため、開放値でピント合わせ、F5.6に絞り込んで使用している。

 ・接写リングを取り付ければ、撮影幅が約6mmで、ニコンのDXフォーマットカメラでは約4倍率になる。


写真引伸レンズを使用した写真 

広角レンズのリバースによる超接写法





 広角レンズをリバースに接写リングを取り付けて、画像を拡大する従来からある方法

 標準レンズよりも広角レンズの方が拡大率が大きくなる。焦点距離28mmレンズや20mmレンズがやりやすい。標準レンズよりも被写界深度が大きいため、深度合成写真には撮影枚数が少なくてすむ。解像度を上げるため、被写界深度が小さくなるが開放値に近い絞りを設定する。     
             
      上側からNikon BR-3+レンズ+BR-2A+PK-12

 ・約2~5倍率まで撮影が可能になる。

 ・現在、スーパータクマー28mm F3.5とフォクトレンダー20mm F3.5を使用している。

広角レンズリバースを使用した写真
   写真は、フォクトレンダー20mm F3.5のリバースにニコン接写リングBR-2A、PK-13(27.5mm)とフードの代わりニコンBR-3を取り付けてある。撮影範囲はニコンDXフオーマットで被写界面積約6mm×4mm、撮影倍率は約4.2倍になる。絞りF5.6で焦点環を∞に設定している。
 
 フォクトレンダー20mm F3.5のリバースでは、0.075mmstep毎にリモートコードを使用して、シャッターを切る。
 
 旧マクロレンズとベローズ等による超接写法
 

オリンパスの旧OMシステム系マクロレンズなどをベーロズに取り付けて超接写をする方法

 1985年に製造中止されたZuiko MC Macro Lens 38mm F3.5の中古を入手し使ってみた。1.8~6Xの倍率でレンズ設計してある。
 この種のマクロレンズは20mmと38mmがあり、その後OMマウントのZuiko Auto Macro 20mm F2とZuiko Auto Macro 38mm F2.8が製造されていた。
          
          左側から、Zuiko MC Macro Lens 38mm F3.5
                 Zuiko Auto Macro 20mm F2
                 Zuiko Auto Macro 38mm F2.8

 Zuiko MC Macro Lens 38mm F3.5は、ベローズに取り付けるRMSマウントのマクロレンズとして良好な解像度がある。

・1970年代のアサヒペンタックス製ベローズを使用するため、各種のアダプターを活用している。
 

・解像度を高めるため、被写界深度が小さくなるが開放値に近い絞りを設定する。


・超接写は照明が大切である。ディフューザーには、ポリエチレン製の薬瓶を切断し使用している。

  Zuiko MC Macro Lens 38mm F3.5を使用した写真

  Zuiko Auto-Macro Lens 38mm F2.8を使用した写真

追記 旧マクロレンズに似た超接写レンズは、中一光学(中国)からFreewalker 20mm F2 が2017年頃から日本で発売されている。画質等は他サイト記事が参考になる。

 
 その他の超接写法
 

 等倍マクロレンズにテレコンバーションレンズを取り付けて、超接写する方法

 ニコンのAF Micro-Nikkor 60mm F2.8Dにケンコー2×テレプラスを取り付けている。

 ・撮像倍率は2倍までになり、露出時間が4倍になる。 
 ・撮影範囲はニコンDXフオーマットで被写界面積約11.8mm×7.9mm。

 ・マイクロレンズにリングストロボを取り付けて、撮影することもできる。


AF Micro-Nikkor 60mm F2.8Dとテレコンバーションレンズを使用した写真
 
 
 
 昆虫写真家の海野和男氏が考案し、「海野和男のデジタル昆虫記」WEBサイトで紹介した方法

 ・ニコンのAF-Nikkor28-80mmの前レンズを取り外し、ケンコー2×テレプラスを取り付けて撮影する方法。自己責任で製品を一部分解することなる。

 ・軽く操作がしやすいが、昆虫対象物との距離が短い。
 
 ・撮像倍率はニコンDXフオーマットで約1.2~3.4倍。

 ・前レンズを外してあるため、フィルターを取り付てレンズ内に入るゴミを防いでいる。
 
 ・対象昆虫までの距離が狭いため、野外で手持ちによる撮影にはストロボ照明に工夫を行えば、効果がある。

 ※テレコンバーターレンズの代わりに接写リングを取り付ける方法もある。

AF-Nikkor28-80mm (40mm) + KENKO 2X TELEPLUS PRO300 を使用した写真

 
 





 数社から、いくつかのマクロ接写レンズ(マクロコンバーションレンズ)が販売されている。

 ・レンズのフィルターねじに取り付けられるため、どのメーカーの一眼カメラでも使用できる。


 
 

 昆虫標本のクリーニング     20170105一部追記

・ゴミなどが付ついていないきれいな標本は、きれいな写真が撮れる。肉眼ではとても見えないホコリなどが意外に付着している。集中してホコリなどを取り除き撮影しても、ときには意外なところにゴミなどが残っている。撮影する前に、よくよく標本をきれいにすることが不可欠である。
・採集後、昆虫の鮮度が落ちない早い時間に撮影する。早い時間に撮影が出来ないときは、昆虫を冷凍保存しておく。
・両手が自由に使え、ゴミなどを取り除くために紙の切れ端や毛筆などを用い、LEDクリップライト照明(E17ランプ-5.4W)で実体顕微鏡20倍を使用している。これは効果がある。筋肉が硬直しているため、展足はむずかしい。展足すると時間が経過し、鮮度がかなり落ちる。
・LEDクリップライトは、昆虫標本撮影時に、ピント合わせの照明にも使用している。

 ・実体顕微鏡・黒ラシャ紙・LEDクリップライト照明(E17ランプ-5.4W)の他に使用しているもの

 A…昆虫を昆虫針やプラスチック三角台に付着するための速乾性接着剤
 B…
接着を強力にするための界面活性剤〔台所用洗剤を接着剤に混ぜる〕効果がある
 C…
昆虫針各種〔有頭・無頭〕
 D…
標本取付台2種類
 E…
採集容器(2ml マイクロチューブと蓋付プラスチック容器2種類)
 F…
ピンセット(Dumont社製INOX No.5と125mmピンセント)
 G…
廃品の薄いプラスチック板と小さく切ったプラスチック三角台が入っている容器
 H…
廃品プリン容器〔埃が付かないようにするために、標本を一時的にかぶせておく〕
 I…
使い捨てマスク・細筆・不用のレシート〔鋏で小さく三角形に切る〕・鋏
 
  標本の大きさと昆虫モデルステージ  
   ・モデル昆虫の大きさが2mm以上の時は、一般の昆虫標本と同じようにプラスチック三角台に速乾性の木工ボンドで貼りつけ、昆虫針でとめる。
 甲虫の場合は撮影の視点によってボンドを付ける所を腹部側か前翅側かを決める。

・モデル昆虫の大きさが2mm未満の時は、無頭昆虫針にボンドを付け、標本昆虫の体に当てる。
昆虫との接着面は極めて小さいために、モデルを付けた後は、慎重に撮影の視点を考えて撮影ステージ取付の作業をする。 

   ●左のヒメアリを実際に撮影した写真

・標本取付台は、発泡ポリエチレンパネルを一辺を2cm位に切ったものを、ねじの「丸座金」に両面テープで貼りつけている。座金を貼ると取り扱いが安定する。 
 
   
 X軸マイクロステージの最上に置く昆虫モデルステージの写真 

 ・「発泡ポリエチレンに丸座金を貼り付けたもの」に、昆虫針のモデルを取り付ける。
 ・ステージの磁石は、「発泡ポリエチレンに丸座金を貼り付けたもの」と自由に取り外しができ、昆虫モデルをステージ上で安定して置くことができる。

 ・発泡ポリエチレンが細長いのは、モデルをディフューザー内に移動しやすくするためである。

 ・背景紙は自由に交換ができる。

 ・昆虫モデルステージの本体はアルミ板を使っている。
 X軸微動システム  
 
  X軸微動システムの写真

 ・「昆虫超接写」をするための重要な装置の1つは、X軸微動装置である。
 市販のカメラ接写用のXYフォーカシングレールは、低倍率に向いているが、カメラ撮像素子上で10倍位になると0.01mm毎の移動を行うには大変難しい。そのため、工業用の手動X軸マイクロステージを使用するのが一番簡単である。

 ・X軸マイクロステージには、最小目盛りが0.01mmと0.002mmの製品がある。2台を取り付けている。
 ・カメラ撮像素子上で10倍位までだと最小目盛りが0.01mmのX軸微動で行える。
20倍以上になると最小目盛りが0.002mmのX軸微動が必要になる。10倍においても0.01mmのものよりも操作が容易である。

 ・工業用の手動X軸マイクロステージの取付ねじサイズは、M3とM6になっており、撮影システム台に取り付けるには工夫が必要になる。
このX軸微動システムには 、カメラねじ(1/4-20UNC)取付用の特注スペーサーを使っている。

 ・モデルを的確にカメラの視野に入れるために、工業用のZ軸ステージと市販のカメラ接写用XYフォーカシングレールの両方を用いている。上下するZ軸ステージは極めて効果がある。

 ・昆虫超接写用の撮影システム台は、ベニヤ材を用いている。 

 
 カメラレンズ移動システム
 

  カメラレンズ移動システムの写真

 ・ミツトヨ金属顕微鏡対物レンズは重く、アダプターを挟んで望遠ズームレンズに取り付けると、金属顕微鏡対物レンズの光軸と望遠ズームレンズの光軸とにズレが生じる。そのため、木製の「光軸修正台」 を望遠レンズ繰り出し筒の下にあてている。

 ・倍率を上げる場合、望遠ズームレンズの前レンズ繰り出し部分が前方へ長く出るのと、画像ピント合わせをするために、「ストレートブラケット」と丈夫な「カメラ微動レール」を使用している。

・昆虫モデルのアングルと「カメラ微動レール」をしっかり固定するために、丈夫なボールヘッドを用いている。

・カメラのシャッターは、「リモートコード」を使い、作業操作を効率化している。
 照明システム  
   
 主ディフューザーの写真 

 ・「昆虫超接写」の重要な装置の1つは、照明装置である。できるだけ昆虫モデルに柔らかな光を当てることと光をモデルの体全体にいきわたらせることが基本になる。いろいろと工夫のしどころである。

 ・主ディフューザーは、廃品のPP薬品容器の上部分を切断して活用している。
 ・金属顕微鏡対物レンズの本体に直接取り付けるため、ガス缶のPP蓋の廃品を切り、活用している。
 

  照明システムの写真 

 ・2台のストロボのそれぞれに「ストロボ用アーム」と「ストロボ用に小型雲台」を使い、ストロボを取り付けている。これにより、ストロボをいろいろな角度で自由に設置できる。

 ・2台のストロボに「市販の専用ディフューザー」を取り付けている。さらに、光が周りやすくするため、「小形の補助レフ板」をストロボの上に自由アームで設置している。
 「小形の補助レフ板」は、シャッターを押す度、眼に入るストロボ発光の強い光を防ぐのにも役に立っている。

 ・使用ストロボはニコンSB600で、ガイドナンバー42/(ISO200・m)。実際に使用する時は発光量を1/16~1/32位に設定し、閃光時間は1/11100秒から1/20000秒である。閃光時間が極めて短時間のため、画像ブレは全くない。

 ・カメラのピント合わせをするのために、LEDクリッブライトを活用している。付属の白熱電球(40W)は熱を多く発するために、発熱量が小さく明るいLED電球(5.4W)と取り替えて使用している。
 
 焦点深度合成ソフト
 焦点深度合成ソフトは、よく知られているフリーソフトウェアのCombine ZMと有料のHelicm Focusがあるが、私はZerene Stackerを使用している。このソフトウェアのPersonal Edition(英語版)は89ドルで、インターネットを通じ入手することが出来る。
 このソフトは合成した画像に「レタッチツール」を用いることができ、カメラの撮像素子フィルターに付いたゴミによる画像内のシミを簡単に消去することができる。
 パソコンの性能によって画像処理時間が異なる。私の現在使用しているパソコン(Wendows XP、Pentium4、CPU3.0GHz、3.0GB RAM)では、1200万画素で60枚合成する処理時間は30分間ほどかかる。最新のパソコンではもっと処理時間は短いと思われる。
 ※Windows7 Pro 64bit、CPU Core i7-3770k 3.5GHz の新しく購入したパソコンでは、画像処理時間が約6分間に短縮された。
 合成した画像の最終画像処理には、Photoshop CS3を使用している。

                                                               
 
上記画像の1枚
 
103枚の合成画像 倍率約8.2倍で超接写したもの
画像をクリックすると大画像になる
    
画像をクリックすると大画像になる
左の画像は、ハラアカマルセイボウを前レンズ外しAF-Nikkor28-80mm (40mm) + KENKO 2× TELEPLUS PRO300  約1.6倍で撮影したもの

    
  焦点深度合成ソフト(Zerene Stacker)でのレタッチによる修正
 
    写真A
 
    写真B

まず、スタッカーした元画像で撮像素子フィルターについたホコリのシミが目立つ背景箇所をホコリのシミのない単画像の背景をレタッチして、シミを消していく。
 
 昆虫の微細な毛などは、前毛のピントと後毛のピントが重ね写した元スタッカーした画像になる。左の写真Aは、前毛に後毛が重なって写ったスタッカーされた元画像である。これを修正するために、スタッカーした画像に、前毛表面のピントが合った画像のところを1箇所ずつレタッチして、スタッカーした元画像を修正していく作業(写真B)が必要になる。毛が多い昆虫などは修正作業の箇所が多くなる。

 画像ソフト(Photoshop CS3)による部分焦点深度合成画像の合成  20170902追記  
  ①ハエのような触覚が繊細な昆虫の場合などには、撮影した総画像を撮影順に分割して、焦点深度合成ソフト(Zerene Stacker)で複数の合成画像につくる。
  ②①の複数画像の良い部分を、画像ソフト(Photoshop CS3)でコピー・ペーストにより1画像に合成する。
  ③画像ソフト(Photoshop CS3)のコピースタンプツールで、合成された境界部分が自然なようにレタッチする。
         
  分割合成画像A  15枚合成 分割合成画像B  46枚合成  分割画像2枚を合成した画像  61枚
完成画像
 
 画像ソフト(Photoshop CS3)による最終レタッチ画像修正   
  ① スタッカーされた元画像の部分をトリミングする。
  ② 実体顕微鏡でゴミを取り除くことができなかった微小のゴミは、スタンプツールで最小限に修正する。
  ③ Jepg画像による色調補正やシャープフィルターで元画像を調整する。特に、レベル補正は効果がある。
  ※本Webサイト『昆虫超接写』用に、画像解像度を1280×930pixelに縮小する。昆虫の細部を表現するため、できるだけ画像サイズを大きくしている。
 
 
記載2012.7.29  追記2012.11.23 追記2012.11.28 追記2013.2.2. 追記2013.5.5 追記2013.5.29 追記2013.6.5  追記2013.9.8  
追記2014.1.1   追記2014.8.27  追記2014.12.21  追記2015.6.28  追記2016.3.19  追記2017.1.5  追記2017.9.2 
追記2018.7.11  追記2018.9.11  追記2018.9.15  追記2022.8.9
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